私はビールを飲みながら、サッカーの試合をテレビ観戦するのが好きだ。
酒の肴は日本代表のユニと同じ、サムライブルーのサバと決まっている。勝って締めるという意味も込めて〆鯖である。
〆鯖を食べながらテレビ観戦するようになってから、かれこれ20試合以上になる。まだ一度たりとも試合に負けたことがない。
先日のことだ。なでしこJAPANは、ACL(アジアカップ)初戦で豪州と対戦した。
私が仕事から帰った時は、すでに後半途中。得点は0-2で負けていた。
大急ぎで缶ビールを開けると、日本の猛攻が始まった。エース大儀見の活躍などで、たちまち2得点。2-2の引き分けに持ち込んだ。ビールと〆鯖おそるべしである。
その後の試合も、私はできるだけテレビ観戦を続け、なでしこJAPANは無敗で予選リーグ1位で通過したのである。
決勝トーナメント初戦、準決勝の相手は中国だった。
うまいビールが飲めるよう、日中は運動をして、試合に備えたいところである。だが、足をどこかにぶつけたらしく、突き指をしたようになっている。
ビールを飲むためならしかたがない。痛い足を引きずりながら、田んぼの草刈りをした。
足を痛めているのは、試合に出ていた澤だって同じではないか。泣き言など言っていられるものか。
試合は延長にもつれ込んだ。このままだとPK戦と思われた試合終了直前、サバ…じゃなかった、イワシさんのヘッドでGOOOOOOOOOOAL!! 日本が2-1で勝利を飾った。
三日後、決勝の相手はまたも豪州だった。
初戦と違い、今回は大儀見が所属チームに戻っている。エース不在の試合となる。
幸い今日は日曜日である。試合開始から、ビールと〆鯖が並んでいる。これがあれば大丈夫だ。
日本は1-0とリードし、その1点を最後まで守り切って優勝した。
なでしこJAPANは、ACL初優勝を飾った。
次の日、私はベンチに座っていた。ピッチ横ではなく診察室である。
「痛風ですね」
申し訳ないが、ワールドカップは私抜きで戦っていただきたい。誰かザッケローニにも伝えてくれないだろうか。
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