ガクをリードにつないで、庭で土いじりをしていると、近所の人がガクをなでにやってきた。
ガクはちょうどクスノキの枝をかじっていた。
クスノキには樟脳の成分が含まれていて、かじるといい香りがする。
「こんなんと違って、ニッキの木やろか?」
ニッキというのは、ニッケイのことだ。英語だとシナモン。
山にニッケイの木が生えているから、採りに連れて行ってくれるという。
軽トラに乗せてもらって現地を案内してもらった。
かつて山の畑にニッケイの大木があったが、高速道路の造成により畑のほとんどが買収されたそうだ。
だがわずかに残った林にニッケイの稚樹がたくさん生えている。ヤブニッケイと似たような植物だが、ちょっと雰囲気が違う感じ。
移植が難しい木らしいので、とりあえず幼樹を5本だけ抜いて鉢に植えた。
▽あとで写真
いわゆるニッケイには、ニッケイ、シナニッケイ、セイロンニッケイなどがあるようだ。
ニッケイの樹皮はかつて、お菓子などに加工されていたが、より香りが強いシナニッケイにその座を奪われたとのこと。昔は樹皮を乾燥させたものが、そのまま駄菓子として売られていたそうだ。
今なら八つ橋の香りだと言えばわかるだろうか。給食の揚げパンの香りでもある。
本物のシナモンはセイロンニッケイから採れる。セイロンニッケイは樹皮に辛みがないので区別できる。セイロンニッケイは耐寒性が低いとされているので、この野良ニッケイではないだろう。
いずれこの野良ニッケイもきちんと同定するつもりだが、とりあえず苗木を作って、近くの林にでも植えて大きくしないとな。
ガクが枯れ枝をかじるほど大きくなるにはずいぶんかかりそうだ。
そもそもガクは枝をかじるだけなので、本物のニッケイだろうが、ヤブニッケイだろうが、たいした違いはないんだけど。
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